インフォメーション

2022/11/10

まなびおおさか「ステイホーム応援第九弾」中河吉由樹さんの         「My partnerʼs holiday    相棒たちの休日          ~表具師の道具~」   六回目 糊刷毛 

黒一の二丁掛.jpeg

 

まなびおおさか「ステイホーム応援第九弾」

京都府在住中河吉由樹さんの

「My partnerʼs holiday 相棒たちの休日~表具師の道具~」

第六回目は糊刷毛です。

 

My partnerʼs holiday

相棒たちの休日~表具師の道具~  

              京都市在住会員 中河吉由樹 

表具の仕事を始めて、約30年の歳月が流れました。

これまでお世話になり、そしてまだまだこ れからもお世話になる相棒たちの

ひと時の休日をご紹介させていただきたいと思います。

 

写真の説明

 5寸(約15㎝)幅の狸毛で、黒一の二丁掛(が け)です。

二丁掛とは、毛量が2倍という意味で す。

掛け軸の総裏(そうら)という工程専用として 使用しています。

理由は、この工程で使用する宇 陀紙(うだがみ)は、

ものすごく吸水性があるから です。こういう特性を「糊を食べる」紙と言った りします。

 

 

My partnerʼs holiday

相棒たちの休日~表具師の道具~

②糊刷毛(のりばけ)

          京都市在住 中河吉由樹

今回は糊刷毛をご紹介したいと思います。

五寸幅.jpeg

糊をつけるために刷毛を使用するのだから、

全ての刷毛は糊刷毛と言うのではないのかと思われ た方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、表具師の認識では、糊刷毛は一般的に薄い糊をつ けるための刷毛を指します。

(ちなみに、濃い糊の場合は「つける」、薄い糊の場合は「ひく」 と言います)

薄い糊とは、一般的には牛乳くらいの濃さとされています。

言葉にすると、前回のマヨネーズくら いとか

今回の牛乳くらいとか、

いかにもアバウトな表現ですが、

実際として、修行を始めたばかりにはこのように教わります。

その後、各々の技量や紙質、環境等に合わせて調整していくよう になります。

この見極める能力もまた、表具師の実力の一つだと思います。

さて、糊刷毛ですが、薄い糊を均一にひくには糊の含みが良い毛を使用します。

山羊の毛で作ら れた刷毛が一般的です。しかし、私はあまり使用しません。

理由は、毛が抜けた時に、白い紙に 白い毛では見にくいからです。

でも、色付きの紙(例えば、古色付きの紙や色鳥の子紙など)に は

敢えて山羊の毛の刷毛を使用することもあります。

もう一つ、馬毛も一般的です。

5寸(約15㎝)幅の狸毛です。狸毛の中でも黒 一、黒ニというランクがあり、

これは黒ニです。

狸毛は高価である上に、今はなかなか手に入らな いと思います。

黒二の特徴は毛先の黒さが若干薄いのと、腰が弱 いことです。

なので、繊細な作業には黒一より黒 二が適していると思います。