インフォメーション
- 2024-10(2)
- 2024-09(7)
- 2024-08(9)
- 2024-07(10)
- 2024-06(8)
- 2024-05(7)
- 2024-04(12)
- 2024-03(12)
- 2024-02(14)
- 2024-01(14)
- 2023-12(6)
- 2023-11(9)
- 2023-10(16)
- 2023-09(20)
- 2023-08(12)
- 2023-07(4)
- 2023-06(8)
- 2023-05(12)
- 2023-04(9)
- 2023-03(7)
- 2023-02(5)
- 2023-01(6)
- 2022-11(4)
- 2022-10(12)
- 2022-09(12)
- 2022-08(15)
- 2022-07(12)
- 2022-06(3)
- 2022-05(3)
- 2022-04(3)
- 2022-03(4)
- 2022-02(2)
- 2021-11(1)
- 2021-08(2)
- 2021-07(4)
- 2021-06(11)
- 2021-05(8)
- 2021-04(6)
- 2021-02(1)
- 2021-01(1)
- 2020-06(1)
- 2020-05(1)
- 2020-03(1)
- 2020-02(2)
- 2020-01(1)
- 2019-12(1)
- 2019-10(1)
- 2019-09(3)
- 2019-08(1)
- 2019-07(2)
- 2019-05(3)
2022/11/10
まなびおおさか「ステイホーム応援第九弾」中河吉由樹さんの 「My partnerʼs holiday 相棒たちの休日 ~表具師の道具~」 六回目 糊刷毛
まなびおおさか「ステイホーム応援第九弾」
京都府在住中河吉由樹さんの
「My partnerʼs holiday 相棒たちの休日~表具師の道具~」
第六回目は糊刷毛です。
My partnerʼs holiday
相棒たちの休日~表具師の道具~
京都市在住会員 中河吉由樹
表具の仕事を始めて、約30年の歳月が流れました。
これまでお世話になり、そしてまだまだこ れからもお世話になる相棒たちの
ひと時の休日をご紹介させていただきたいと思います。
写真の説明
5寸(約15㎝)幅の狸毛で、黒一の二丁掛(が け)です。
二丁掛とは、毛量が2倍という意味で す。
掛け軸の総裏(そうら)という工程専用として 使用しています。
理由は、この工程で使用する宇 陀紙(うだがみ)は、
ものすごく吸水性があるから です。こういう特性を「糊を食べる」紙と言った りします。
My partnerʼs holiday
相棒たちの休日~表具師の道具~
②糊刷毛(のりばけ)
京都市在住 中河吉由樹
今回は糊刷毛をご紹介したいと思います。
糊をつけるために刷毛を使用するのだから、
全ての刷毛は糊刷毛と言うのではないのかと思われ た方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、表具師の認識では、糊刷毛は一般的に薄い糊をつ けるための刷毛を指します。
(ちなみに、濃い糊の場合は「つける」、薄い糊の場合は「ひく」 と言います)
薄い糊とは、一般的には牛乳くらいの濃さとされています。
言葉にすると、前回のマヨネーズくら いとか
今回の牛乳くらいとか、
いかにもアバウトな表現ですが、
実際として、修行を始めたばかりにはこのように教わります。
その後、各々の技量や紙質、環境等に合わせて調整していくよう になります。
この見極める能力もまた、表具師の実力の一つだと思います。
さて、糊刷毛ですが、薄い糊を均一にひくには糊の含みが良い毛を使用します。
山羊の毛で作ら れた刷毛が一般的です。しかし、私はあまり使用しません。
理由は、毛が抜けた時に、白い紙に 白い毛では見にくいからです。
でも、色付きの紙(例えば、古色付きの紙や色鳥の子紙など)に は
敢えて山羊の毛の刷毛を使用することもあります。
もう一つ、馬毛も一般的です。
5寸(約15㎝)幅の狸毛です。狸毛の中でも黒 一、黒ニというランクがあり、
これは黒ニです。
狸毛は高価である上に、今はなかなか手に入らな いと思います。
黒二の特徴は毛先の黒さが若干薄いのと、腰が弱 いことです。
なので、繊細な作業には黒一より黒 二が適していると思います。
2022/11/03
まなびおおさか「ステイホーム応援第九弾」中河吉由樹さんの 「My partnerʼs holiday 相棒たちの休日 ~表具師の道具~」 五回目 糊刷毛
まなびおおさか「ステイホーム応援第九弾」
京都府在住中河吉由樹さんの
「My partnerʼs holiday 相棒たちの休日~表具師の道具~」
第六回目は糊刷毛です。
My partnerʼs holiday
相棒たちの休日~表具師の道具~
京都市在住会員 中河吉由樹
表具の仕事を始めて、約30年の歳月が流れました。
これまでお世話になり、そしてまだまだこ れからもお世話になる相棒たちの
ひと時の休日をご紹介させていただきたいと思います。
写真の説明
こちらも5寸(約15㎝)幅の狸毛です。
黒一と いう、狸毛の中でも最高級品です。
毛先の黒さが 際立っています。
黒ニよりも糊の含みがあり、適 度な柔らかさがあります。
しかし、弱い紙質には 少し不向きで、その場合は黒ニが勝ります。
My partnerʼs holiday
相棒たちの休日~表具師の道具~
②糊刷毛(のりばけ)
京都市在住 中河吉由樹
今回は糊刷毛をご紹介したいと思います。
糊をつけるために刷毛を使用するのだから、
全ての刷毛は糊刷毛と言うのではないのかと思われ た方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、表具師の認識では、糊刷毛は一般的に薄い糊をつ けるための刷毛を指します。
(ちなみに、濃い糊の場合は「つける」、薄い糊の場合は「ひく」 と言います)
薄い糊とは、一般的には牛乳くらいの濃さとされています。
言葉にすると、前回のマヨネーズくら いとか
今回の牛乳くらいとか、
いかにもアバウトな表現ですが、
実際として、修行を始めたばかりにはこのように教わります。
その後、各々の技量や紙質、環境等に合わせて調整していくよう になります。
この見極める能力もまた、表具師の実力の一つだと思います。
さて、糊刷毛ですが、薄い糊を均一にひくには糊の含みが良い毛を使用します。
山羊の毛で作ら れた刷毛が一般的です。しかし、私はあまり使用しません。
理由は、毛が抜けた時に、白い紙に 白い毛では見にくいからです。
でも、色付きの紙(例えば、古色付きの紙や色鳥の子紙など)に は
敢えて山羊の毛の刷毛を使用することもあります。
もう一つ、馬毛も一般的です。
5寸(約15㎝)幅の狸毛です。狸毛の中でも黒 一、黒ニというランクがあり、
これは黒ニです。
狸毛は高価である上に、今はなかなか手に入らな いと思います。
黒二の特徴は毛先の黒さが若干薄いのと、腰が弱 いことです。
なので、繊細な作業には黒一より黒 二が適していると思います。